イシスの息吹

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エジプト3日目 その2

アレキサンドリアの街を移動している途中に、赤い軽トラックが横の道からフラフラと出てくるのが見えた。 運転手のおじさんは横を見ているにもかかわらずそのまま車を進め、案の定、私たちの乗っているバンにぶつかった。 どう見たって、赤い軽トラック(どうやら消防車らしい)が悪いが、運転手は、車から降りて 我が運転手アハマドさんに文句を言っている。 偶然にもそこは警察署のまん前で、次から次へおまわりさんが出てくる。 見てないくせに証言をしている人まで出てくる。 ガイドのオスマンさんに「大丈夫ですか?」と聞くと「そうとう良くないです。。」といって、扉を開け放したまま車を降りていった。(「閉めていってよー。」と車内の声) 事故の当事者の証言に飽きた警察官や見物人は(全部男性)今度は、私たちの乗っているバンに注目を始めた。 乗っているのはアジアの3人の女性!(一人は結構年だが、、、)なので、次から次へとやってきては声をかけていく。 エジプト3日目にして、「とりあえず女性には声をかけておく。」というこの国の男性の方向性には慣れていたので、「無視,無視。」とお互いに声をかけあい車の中で、待つこと数十分。 暗い顔で二人は帰ってきた。 それからのアハマドさんは、車を止めるたびにその場に居合わせる人に、自分の不幸を頭を抱えて語り、最初は「アハマドさんて友達がおおいのね。。」と思っていたが、どうも初対面の人にまで語っている。その数、十数人。。 そのうちに私たちは「アハマドさん また語っているねー。。」と遠い目でその様子を見守る。 それからの車内は携帯電話の嵐! そのたびにエジプトポップスのタンタタンタタラッラ~がなるので、今でのその音が耳に残っている。 あとから聞いた話によると、アハマドさんは契約によって自分でその車の修理をしなければいけないそうで、その落ち込みようも納得がいった。 

アレキサンドリアまでは、飛行機を使うよりも車の方が効率的ということで片道3時間という長時間、行きはオスマンさんのいつ止むとも知れぬ、冗談とも説明とも付かぬおしゃべりに仕舞には相槌も打たなくなり寝たふりをする3人であったが、帰りは、あまりに落ち込む二人に声もかけられぬ3人であった。(といってもバク睡していたが、、、)

カイロも近づいたあたりで、オスマンさんはふとガイドとしての役目に気づいたようで、急に饒舌になり、「どこか行きたいとこないですクァ?」(かの発音がクァになる)と気遣ってくれるので、「では、貴金属を見に行きたい!」とのリクエストを出し、連れて行ってもらった。店内にはザーッと貴金属が並び、今までは受身体制だった私が戦闘体制に入った。 最初は付き合っていた二人の娘も仕舞には「オスマンさん寝ちゃっているよ。」「店じまいの準備しているよ。」と私の交渉にあきれ始めた。 仕舞にはクラクラするほど素敵なオーナーが出てきて、交渉が始まったが、値段が決まったときオーナーは笑顔の一つも見せてはくれず去っていった。。。

026 これは博物館に展示されている宝飾品の数々。とても素敵!

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