器の形状 2
そして、
もちろん私たちの肉体も器です。
この器の形状がいかなるものかによって、
すべての人に等しくあるはずのエネルギーに色合いが出てくるのでは?
まずは、小用先生のお稽古。
(私は5年目にさしかかっていてもあまり進歩なく、
それでもあたたかい目で見守っていただいているのですが・・・)
ここで培うお稽古は、
肉体の形状を「これでもか」というほどに鍛錬し変化させていきます。
肉体がエネルギーをもっとも純粋な形で取り入れ、
最大限に生かしていくか
という事を、
飽く事なく追求し続ける小用先生と諸先輩方。
私の身体は、本当にいう事を聞いてくれませんが、
小用先生はじめ諸先輩方の身体は、
平田さんの追求した樹グラスのようなフォルム。
至る所にアーチ構造が見られます。
そういえば、教会も。
3年前に訪れたサン・マクシマンのバシリカ。
ここには、マグダラのマリアの遺骨が納められています。
息をのむほど美しいゴシック様式のアーチ。
3年前のブログには、
「音の響きを設計の段階ですでに読んでいたようにも思えます。
祈りの言葉は大聖堂に響き渡り、天井から天に向けて登っていくようです。
また、「凍れる音楽」という美しい言葉を生み出す建築内は、
音のない音が常に響き渡る美しい空間でした。」
と、書いてありました。
こちらも美しい。
建総研の溝口先生のページもとても面白いです。
中世芸術を総合的に代表するビザンチン様式、バシリカ様式に始まった教会建築は、特に西ヨーロッパに於いて、ゲルマン民族の造形様式、プリロマネスク様式を取り入れたロマネスク様式を経て、ゴシック様式で完成された。ビザンチン様式もドームの数を増やし大空間の聖堂建築(例:サン・マルコ聖堂)へと姿を変えていった。この中で音楽は、芸術性を高め、多声部音楽を完成させ、対位法及び和声法発展の起源となる複旋音楽へと発展していった。ドームと石で造られた教会建築の巨大な音響(反響と残響)が、これに大きく貢献したことは容易に想像される。ドームは集約された第二次音源(意図的反響音)を生み出し、石は音を反射し大きな融合音(豊かな残響音)を生み出した。またゴシック様式の教会は総合芸術としての建築美の崇高な空間であるだけでなく、その連続するヴォールトで構成された尖頭アーチは、澄んで遠く、高く響く、極めて音楽的で神聖な空間を創り出した。後のロマン派音楽堂に繋がる響きである。(溝口先生の音楽と音響空間のページより)