イシスの息吹

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オートクチュール・オードパルファン・セッション 1

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オートクチュール・オードパルファン・セッション

~パルファンガイドとの出会い~ 

パルファンの語源は、

「煙を通して」

というラテン語です。

ヒマラヤでも1日を始める早朝

神に仕える人々は香木を焚き、

かぐわしい香りと煙とともに祈りを捧げます。

歴史の中でもたくさんの美しき香りに魅了された話があります。1

ツタンカーメンの王墓をカーターが発掘した時、

盗難の形跡があったのになくなっていたのは香油類だけでした。

   

旧約聖書シバの女王とソロモン王の話から香りがなくなったとしたら、

時代を経てもなお語りかけてくる文章が

ここまで美しく残ることはなかったのではないでしょうか。

ソロモン王は白檀の香りが立ち込めた宮殿にシバの女王を誘い、

シバの女王からは、金や宝石とともに乳香や白檀が送られました。

二人の素敵なやり取りは雅歌に収められています。

1:3 あなたの香油のかおりはかぐわしく、あなたの名は注がれる香油のよう。

それで、おとめらはあなたを愛しています。』

3:6 没薬や乳香、貿易商人のあらゆる香料の粉末をくゆらして、煙の柱のように荒野から上って来るひとはだれ。3:7 見なさい。あれはソロモンの乗るみこし』

雅歌の話になると長くなるのでこの辺で。 

 

クレオパトラは廊下や寝室にバラを敷き詰め、

彼女が乗った船は、バラの香りが遠くからでも流れてきたそうです。

聖書の中にも、香油の記述は数多く見られます。

72歳のハンガリー王妃エリザベートは、

僧院でローズマリーから作られたハンガリーウォーターによって、

20代のポーランド王子にプロポーズされたとか。 

暴君ネロすらバラの香りに魅了されたのです。

東洋では、楊貴妃も体身香

(1日12粒づつ飲み続けると、3日後には口から、5日後には身体中から芳香を放ち、

10日後には衣に香りがうつり、20日後にはすれ違う人にも香りが感じられる)

という『医心方』に記されている丸薬を飲んでいたと伝えられています。

 

さて、香水の歴史はアルコールの発見から始まります。

それまでの香料は、必ずしも液体ではなかったのです。

錬金術により発見されたアルコールと香料が出会い、

ナポレオンの『4711』が生まれ、

マリー・アントワネットはお風呂に香水を入れて楽しみました。

  

そして19世紀になると合成香料が開発され、

大量生産が可能になり、限られた人だけではなく一般の人にも、

広く普及しました。