フランスに残る神聖を辿る旅2 サンマクシマン
入口の扉の上にも、やはりマグダラのマリアが。
香油壺と骸骨はマグダラのマリアをあらわします。
1279年、サン・マクシマン教会堂の地下を掘り返すと4つの美しい彫刻の施された大理石の石棺が見つかりました。石棺の中に残されていた羊皮紙には、8世紀の初め、それまでアラバスター(雪花石膏)の石棺に収められていた聖マリー・マドレーヌの遺骨が大理石の石棺に移され、別人の遺骨をアラバスター石棺に収めた。さらに異教徒の破壊から守るために、聖マリー・マドレーヌの大理石の石棺は土中に埋められた、と記述されていたそうです。
確認されたもう一方のアラバスターの石棺は「空」で、200年前、ヴェズレー修道院からの修道士がマグダラのマリアの「聖遺物」として、別人の遺骨を掘り出してヴェズレーへ持ち帰ったと正式に教皇が判断したそうです。
地下のクリプトには、大理石の石棺と共にマグダラのマリアの頭蓋骨が安置されています。
ゴシック様式の曲線の美しさは息をのむばかりです。
音の響きを設計の段階ですでに読んでいたようにも思えます。
祈りの言葉は大聖堂に響き渡り、天井から天に向けて登っていくようです。
また、「凍れる音楽」という美しい言葉を生み出す建築内は、
音のない音が常に響き渡る美しい空間でした。