神人とユタ 6
翌日は、いよいよご神事の日。
早朝に、南に向かいます。
先生は、
「今回、山本さんは『神人とユタ』の違いを学びにきましたよ。
明日、それが分かりますからね。』
というような事を仰っていました。
先生から「概念としての。」神人とユタとの違いは教わっていましたが、
概念を超えた「何か。」とは、何なんでしょうか?
早く着きすぎたので、
まず、それぞれの御嶽にご挨拶に行きます。
御嶽は一カ所ではなく、
その地域の其処ここに点在しています。
しかし、いずれも打ち捨てられた様子はなく、
この地域の方々が御嶽を大切に守ってきている様子が伺えます。
時間になったので、
先生のいらっしゃるご実家に向かいます。
先生はじめ、
先生の弟さん(弟さんは、
数年前斎場御嶽の麓のお家でお目にかかっています
から、久しぶりの再開。)
ご一族とご挨拶します。
祭壇には、数々の祭祀の為のお供物が用意されています。
このお供物もだんだん本物を用意出来る人が少なくなっているようで、
伝統を残していく為に、
先生は、自費出版で本を作られています。
一つ一つのお供物に意味があり、
一つ一つの並べ方に意味があり、
その一つ一つをその家系の女性達は先代から紡いできたそうです。
お台所では美しく知的な中2のお孫さんが既にお手伝いをしています。
こうして、小さい時から行事に携わっていく事で、
この祭祀の意味や背景を学んでいくそうです。