タカルポ(白馬)に乗って 28
電気が通っていないので、
充電する時は、村のチェックポストに行きます。
ムスタンの全容模型や、
雪豹の写真が飾ってあります。
村の人たちは寒いので、日向に集まっています。
おばあさん達は、糸紡ぎ。
のどかです。
乗ってきたバス発見。
あんなにぎゅうぎゅう詰めだったのに、
抜け殻のようになっています。
この簡素さが川を上る秘訣でしょうか?
さて、5時過ぎるとビールの時間です。
(こんなに寒いのに。)
宿の並びの雑貨店に入るビルさんとニマさん。
とてもキレイに整頓されています。
雑貨店と思いきや、
突き当たりの戸棚がキッチンに早変わりして、
インスタントラーメンやウィンナーの様なものが作られます。
村の人たちが、ふらりと訪れては、
お茶を飲んだり、ラーメン食べたりしています。
「ご飯前だから食べない。」
と、言ったものの。
宿に帰って、ダルバートをお願いすると、
そこから作り始めるから2時間近くかかります。
それまで、またストーブの前で時を過ごすのでした。
ストーブのパチパチとはぜる音と、
ネパール語がBGMになり、半瞑想状態です。
しかし、この日。
「ユキさん、お部屋変えていいそうですよ。」
と嬉しいおしらせ。
大喜びで、トイレ付きのお部屋に移動する私。
お夕食もそこそこに、
お部屋に戻ります。
数日ぶりの、1人だけのお手洗い!
伸び伸びと使わせて頂きます。
しかし、9時過ぎにトントンとドアを叩く音。
出てみると、ビルさんが立っていて、
「ユキさん、トイレ壊れているので、
ここのは使わないで、下のを使って下さい。」
との事。
少し前に階下で何やらザワザワしていると思っていたのですが、
トイレの事だったのでしょうか?
その日は、全容が掴めず休んだのですが、
翌朝。
早朝に散歩に出ようと、建物の外に出て自室を見上げてみると。
見事に配管が分断されています。
私の部屋から出たものは配管を通じる事なく、
恐らく、そのまま地面へと流れた模様。
自分の人生の中で、
介護でもされない限り
よそ様にお目にかける事のない体験をさせて頂きました。
今までも、相当怖いもの知らずでしたが、
もはや敵無し。
吹っ切れた清々しさを味わいながら朝の散歩に出るのでした・・・