ヒマラヤ 水晶が導く旅25
6時過ぎると、ヒマラヤの光は最後の光を茜色に染めながら、
漆黒の世界へとその場を譲っていきます。
私たちの世界から、
アストラルの存在の世界へと、
この場を譲り渡すときです。
私たちは、息をひそめ、自らの物質的なエネルギーを薄くして、
その場を共有させてもらう事に同意してもらうのです。
7時少し前になると、
村の少年が迎えにきてくれました。
そして、器用に暖を取る火もつけてくれました。
手際の良いこと!
真っ暗闇の中、斜面の淵に建っている洞窟からの移動は、
ちょっと心配だったので、本当に嬉しかったです。
本当に真っ暗、
懐中電灯の灯りが照らす所しか見えません。
少し離れたラマの所へいくと、
ラマは、2人の少年のために、
18体の人形と18個の円錐状の何かと、18個のバターランプをトルマ
(ツァンパに茶とバターを加えて練って作るお供えもの)
で瞬く間に作り上げ、
そこに少年達にこの地の植物を9種類持ってくるように言いつけたものを、
飾っていきます。
その他にも、色とりどりのナムカや惑星を表すものなどが、
飾り付けられています。
魔法の手です。
床に白い粉で9つの部屋と装飾が施され、
その一つ一つの部屋の中にそれらが配置されていきます。
漆黒の闇の中、
灯りは、暖を取る火と、
そのバターランプの灯りだけ。
村からは、2人の少年の他、7人の青年が来ています。
女性でよそ者の私が、ただでさえ手狭なその場にいるのが申し訳なくて、
隅の方に行こうとすると、
誰かが見つけて、
一番火に近い所へ座らせられます。
(申し訳ない。)