拘束はよいものなのです。
「拘束は良いものなのです。」
武術のお稽古で先生が仰った言葉。
先日霰粒腫を取るために、とうとう瞼の裏の切開をしました。
眼帯をして、乱視が強い左目だけで生活をするのは本当に大変。
両目が見えるって本当に素敵なことだと実感しました。
物がダブって見える片目だけで生活していると、
階段やホームがゆがんで見えて、時間をかけないと歩けないし、
字も読めないし、
気持ちが悪くなってくる。
しかし、それと共にだんだんといつもとは違う視力が生み出されていることに気づいた。
前を歩いている人を何となく見ていると、
骨格が動いているのが見えてくる。
レントゲンが動いているみたいで面白い。
「あぁ、この人腰椎が歪んでいるなぁ~。」とか、
「頚椎ずれてるなぁ。」とか、
見えてくる。
まるでCGを見ているように骨格の動きが詳細にわかって面白い。
いつもの自分の「見る」感覚が拘束されたことによって変化し、
視点が変わることによって、体の内部が詳細に見える。
それは、通常私がエネルギーを見るのに使っているものとも違い、
まさに、動物的な視力だった。
便利な世の中になったけれども、
不自由が当たり前だった時代には、こうした視力が当たり前に使えていたのかもしれない。
なるほど、拘束とは良いものだと実感できた出来事でした。