フランスに残る神聖を巡る旅7 サン・ピロン
天使と共に天の音を聞いていたという場所には、今、礼拝堂が立っています。
ただ、香油壺を持ったマグダラのマリアの彫像だけがそこにあります。
風の強い岩山を登り、ここに辿りつくと、
周りには眺望を隔てるものは何もなく、
遥か下に、地中海まで見下ろせます。
向こうへのアンテナが立ちやすい場所が、この世にいくつかあるといいますが、
ここは、間違いなくそのアンテナが立つ場所でしょう。
ここまで来ると、殆ど人の姿もなく、
ただ、自然と空と大きなエネルギーに包まれる場所です。
ありがたいことに、長い間、静かな時間を過ごすことができました。
連日ここに来たけれども、
お腹が空かない。
朝、コーヒーとクロワッサンを食べて、簡単なランチを用意して登っても、
「おなかが空いたね。」
という気持ちにならない。
街に降りても、夕食をたっぷりと食べる気にならない。
これは、この旅の間ずっと続いたことでした。
といっても、元気がなくなることもなく、モリモリと山登りはできます。
「人間は食べなくても生きていけるかもしれない。」
と思えるような自然エネルギーの滋養に満ちた場所でした。
エネルギーのサポートもあり、アンテナも立つ。
いや、アンテナが立つからエネルギーが溢れているのか・・・
とにかく、こんな素敵な事はありません。
しかし、街からここに来るのには交通手段が車しかなく、
タクシーに往復の交渉をして迎えに来てもらいます。
サン・マクシマンで唯一英語が話せるタクシーは、予約制。
知的で素敵な女性でした。