ヒマラヤ 宝珠を納める旅 11
翌朝。
朝日が、目の前に聳えるニルギリの色を変え始めます。
この一瞬が何とも神々しく、
寒さも、呼吸をする事すら忘れてしまう、
神聖な儀式のような時間になります。
誰でも、この瞬間を感じ生きられる力強い一瞬。
太古の昔、何も情報がない時代には、
この山々に神が住んでいると、
信じる人々がいても、何ら不思議はなかったでしょう。
今でも、当たり前のようにそう感じます。
当初の予定では、
近辺の僧院に行く予定でしたが、
「もう一度、ムクティナートに行ってゆっくり瞑想したい。」
と、朝食の際お願いしてみると、
ビルさん直ぐさま、車の手配などしてくれて、
「では、30分後に出発です。」
と、超テキパキです。
ホテルの前に車が迎えに来てくれます。
チャーターなので、
昨日のように、若者好みの音楽が鳴り響く事もなく、
羊が降りてくる事もなく、
非常に落ち着いた状態で出かける事が出来ます。
しかし、道は相変わらず。
揺れに揺れます。
しかし、
こんな、地学の授業で学んだような風景も、
車を止めてゆっくりと見る事が出来ます。