溶連菌
次女の高熱が続くので病院に連れて行くと溶連菌と判明。 7歳の姪っ子も今日になって喉が痛いと言い出し、懐中電灯で喉を見ると白いものがあったので病院に連れて行ったらやはり溶連菌だった。 抗生物質を取ることにより感染率も低くなり熱も下がるようだ。
10数年前、頭痛の原因を探るために病院中を回されていたとき、心臓の検査をしていたら私も溶連菌に感染していた後があったといわれたけれども久々に聞いたなぁ。
皆さんも気をつけてください。
●溶連菌感染症とは | |||
溶連菌は、正式にはA群β-溶血性連鎖球菌といいます。 感染の仕方には、飛沫感染と皮膚からの接触感染があります。 溶連菌感染には主に次のような種類があります。 (1)咽頭炎や扁桃腺炎 (2)とびひ ここでは主に(1)の咽頭炎・扁桃腺炎について述べます。 | |||
●どんな症状ですか | |||
溶連菌の咽頭炎では、潜伏期はおおよそ2~5日です。 主に2~10歳頃に多く(ピークは5~10歳頃)、成人には少ないといわれています。 また季節的には、12~3月に一番多く、7~9月が一番少ない 主な症状は次のようなものです。 (これらの症状は、すべて出るわけではありません。特に1~3歳ぐらいでは 症状が少ないこともよくあります。) (1)咽頭炎・扁桃腺炎 発熱(90%以上)、のどが痛い、のどが赤い、扁桃腺に白いものがつく。 (そのために口臭があることも多く、血液の混じった黄色い痰が出ることもある) (2)口蓋の点状紅斑・点状出血斑 口の中の口蓋垂(のどちんこ)を、中心に赤い小さな点状の出血斑が認められます。 (3)イチゴ舌 舌の表面が、イチゴの表面のようになることがあります。(発病2~4日目) (4)全身発疹 顔や股のところに、小さい赤い発疹が多数出現します。(発病1~2日目) かゆみを伴うことも多いようです。(猩紅熱) (5)皮膚落屑 いろいろな症状が消えた後(5~6日目以降)に手や足の指先から 皮がめくれてきます。 (6)その他の症状 頭痛・だるさなどの発熱に伴う症状などが認められますが、 咳・鼻水などの一般的なかぜの症状は、他の感染症に較べると少ない。 嘔吐を伴うことはありますが、下痢はあまりありません。 | |||
●溶連菌感染の診断 | |||
(1)A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット 綿棒で、のどの菌を採取し検査します。溶連菌かどうか数分で診断できます。 ただし溶連菌だけしか判定できません。また検査前に抗生物質を飲んで いると正確には診断できません。 (2)咽頭培養検査 同じく綿棒でのどの菌を採取し検査します。溶連菌だけでなく他の細菌も 診断できます。ただし検査には数日を要します。この検査も、検査前に 抗生物質を飲んでいると正確には診断できません。 (3)血液検査 他の細菌感染と同じように白血球が増えたり、CRP(炎症の数字)が 上昇したりします。またASOやASKなどの抗体検査もありますが、 抗生物質で治療した場合は、抗体は上がらないことが多いようです。 | |||
●溶連菌感染の合併症 | |||
(1)直接的な合併症 中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎など (2)急性腎炎 溶連菌感染後、3~4週後に発生することが多い。 突然、むくむ、尿が出なくなる、血尿や蛋白尿が出る、血圧が上がるなどの 急性腎不全の状態になります。予後は良好で1~2年のうちに90%以上は 治癒しますが、入院や安静、食事制限、体育の見学などが必要になります。 (3)リウマチ熱 日本では最近、ほとんど見かけませんので、詳細は省きます。 溶連菌感染後に、発熱や身体の各部に炎症が認められます。 (多関節炎、不随意運動、皮下結節、心炎) 心弁膜症の悪化を防ぐため、抗生物質を長期に内服する必要があります。 (4)血管性紫斑病 溶連菌感染などの感染後や予防接種などの後に、出血斑などの発疹・激しい腹痛 関節痛・浮腫などを認めます。引き続き紫斑病性腎炎を起こすこともあります。 | |||
●溶連菌感染の治療 | |||
●家族に対する治療は? | |||
溶連菌と、はっきりと診断された場合には、その家族全員にも 抗生物質を服用するのが、おそらく一番理想的でしょう。 (兄弟で50%、親で20%感染しており、感染者の50~80%発病するという 報告もあります。) 現実的には、発熱や咽頭痛など症状がある人や、検査の陽性の人は、 抗生物質を服用することが多いようです。 また幼稚園・保育園などで流行しているときは、抗生物質が 予防投与されることもあります。 | |||
●いつから学校や幼稚園に行っていいのか | |||
抗生物質を1~2日服用し、発熱や発疹が治まって元気があれば 登校・登園してもかまいません。 | |||
●溶連菌感染は、何度もなりますか | |||
A群β-溶血性連鎖球菌にも、いろいろなタイプがあります。
日本では、だいたい4~5種類のタイプがあり、4~5回は感染する 可能性が言われています。(発展途上国では、15~20種類あるようです。) |