ダークルーム2
ダークルームから出てきて、
会う人ごとに「どうだった?」と聞かれてダークルームの反響が大きいことに驚くが、
話していると、
曖昧だった輪郭がだんだんと見えてくるような気がする。
実に自分がシンプルになっている。
以前から単純は単純なのですが・・・
何だろう。
日々の生活を振り返ってみると、
いつも何かをしていなければいけないような感覚に襲われる。
常に、i-potを聞いていたり、
常にパンパンのスケジュールにしていたり、
常にメールをしていたり、
常にpcに向かっていたり、
常に二つの事を同時にしていたり、
空白の時間が訪れることが 孤独への入り口へのような感覚。
思い返してみると、小さい頃 たくさんの空白の時間があった。
空白の時間があるからこそ、虫の音が聞こえるのだろうし、
空白の時間があるから、空を眺めようと思うのだろうし、
空白の時間があるからこそ、様々な五感がのびのびと生きていくのだろう。
今の都会の子ども達には、空白の時間があるのだろうか?
シーンとしすぎて、耳が痛くなるような感覚とか、
空を見ていて、果てしないところへ吸い込まれていくような感覚とか、
とても、大切な経験のような気がする。
本当ならば、日常の中でそれが訪れることがあるのがよいのだけれど。
何かを麻痺させ続ける生活から抜け出してダークルームに入り
色々なものをそぎ落として、必要最低限のものの中で闇の中に身をおくことは、
私にとって精神のデトックスになったのかもしれないなぁ。
都会に住む人は、定期的に漆黒の闇の中に身をおいてみてもいいかもしれません。