イシスの息吹

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友人に誘われて、ピアノのリサイタルへ。

ショパンの「別れの曲」がプログラムの中にあった。

20数年前、私の親友のお父様の葬儀の時に、

親友がこの曲でお父様を送りだした。

その後、何度も彼女のリサイタルにも行っているし、

他の人が弾く「別れの曲」も聞いたけれども、

私の中では、あの時の「別れの曲」以上の演奏は未だ聞いたことがない。

今でも、その一音一音に彼女の思いが込められた旋律が蘇ってくる。

その時に見上げた空が、どうしようもなく青かった事とか。

最愛のお父様が入院されてからつきっきりで看病していた彼女の誕生日、

もう一人の親友と彼女を連れだして 近くのホテルのラウンジで誕生日ケーキを食べた時、お父様の話を聞きながら3人でボロボロ泣きながら食べたケーキの塩辛さとか。

あの当時は、身近にある「死」というものの実感がつかめず、

別れ際に何と言葉をかけたら良いのかもわからなかったこととか。

何だか、いっぱい思いだした。

音って、何だか凄い。

意識を「今あるところ。」から

違う空間、違う時間、違う次元に連れて行ってくれる。

それは、実際に耳に聞こえる音であっても、

耳に聞こえない宇宙に漂う音であっても、

思い出の中の音であっても。

今日はマントラ禅に時間を忘れたこともあり、

「音」がテーマの一日でした。

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