インドのリトリート13
最終日に近づき、自分が肉体をもった存在である認識よりも、
自分がその肉体を超えたエネルギー体であるという感覚のほうのパーセンテージのほうが増している。
しかし、その様な状態にありながらも、
どこかから、得体のしれない焦燥感や無力感がこみ上げてくる。
それはどこから来るものなのか。
あと数日でリトリートが終わってしまうことなのか。
果てしないものに対する自分の無力感なのか。
ずっと、求めていたことがここまでなのか。
(と言っても素晴らしい体験を沢山したのだが、私の中では「何か」が欠けているように感じた。)
どこかで絶望にも似た何かを味わっていた。
本当は、素晴らしい体験は、まるで北京のビルのように表面的なきらびやかさで、
でも、本質には辿り着いていない事にもどこかで気づいていた。
そのことに一番絶望していたのだ。
その時も、恩寵の充ち溢れる中、
いつものようにステートオブプレゼンスの結晶化を意識し、
そこに寛いで身体の感覚が無くなっていた。
しかし、圧倒的な絶望感の前に
リトリートに対する期待も無くなっていた。
突然、予測の出来ない事が起きた。
(そう、私の求めていたのは「予想外」の事なのだ。)
まるでスペースシャトルが発射したかのような爆発と衝撃と共に、
自分がどこにいるかわからなくなる。
その状態は、それからずっと言葉を探しているけれども、
たとえる言葉が見つからない。
ただ、言えることは味わったとこのない世界。
言葉でどうしても説明できない世界。
だって、「何もない。」のだから。