漆黒の中にある本質
久しぶりに山のいえに住むの友人の家に泊まりにいった。
小さな親友と一緒に夕暮れを楽しむのが何より楽しみ。
山の家からは海を見下ろす事が出来る。
ここでの一日はどれも素敵だけれど、
特に好きなのは夕暮れ時から漆黒の闇に移り変わっていく時間。
それまで穏やかに流れていた風も、通常は見えないものへと移行していく感じがする。
風が変わると、周りに住む動物や昆虫や植物も夜の世界へ移行する準備を始めていく感じがする。
コーラルピンクの雲もきらきらと光る海も次第に姿を消し、
残るのは満月近い月明かりだけになる。
昼間より本質的な部分を揺さぶる風の音と、虫の音。
自分の中でも、昼間の意識からより本質的な部分へと移行して行く感じ。
友人が蝋燭に明かりを灯してくれる。
自分の中の深い深い闇の世界。
東京での生活ではなかなか手に入れる事が出来ない漆黒の闇の世界。
いつもは掘り出さないと気づかないものが、
漆黒の闇の中にいると自然に浮かび上がってくる。
そこは、恐ろしいものではなく、
本当に安らげる空間になる。
この空間こそが、本質を見つけていくための滋養になる。