神人とユタ 7
彼女が運んできてくれたのが、
この氷入りの、発酵していない甘酒のような飲み物。
6月のウマチーリシチには欠かせない飲み物のようです。
これを飲むと、身体の熱を下げる効果があると仰っていました。
さっぱりとして甘さ控えめの美味しい飲み物です。
(後の、ご祭祀の折に、
神さまに捧げる器の中に入れられるものは、
同じもののように見えました。)
6月のウマチーリシチとは、
「稲大祭(初穂を神にささげる稲の収穫感謝祭)豊作に感謝
し、村落及び門中の繁栄祈願。 」
その地域を上げてのとても大きなご神事の様です。
師匠と弟さんの席に私たちも着くように促され、
「12時から始まるからその前に。」
と、次から次へとごちそうが運ばれてきます。
ふと気づくと、
お料理を用意して下さったご家族は、
お台所でお食事を取られています。
土地のものでもない私たちが、
上席に付き、ごちそうを頂く事に、
本当に申し訳なさを感じると共に、
身の引き締まる思いがします。
食事の後、
「御嶽で言葉があるから。」
という事で、師匠と弟さんに着いていくと、
三十三御嶽の前で、
また直々に神さまから言葉をいただきます。
大恐縮・・・
さて、師匠がご祭祀の為にお着替えなさって、
殿リシチに向かいます。