神人とユタ 8
何枚も重ねられた神衣装の一番上に羽織られている、
白い衣は、
この地域の方々が畑仕事等の合間に、
ひと針ひと針誰に言われるでもなく、
入れられて出来上がったものだそうです。
「山本さん、
神人というのはね、
その土地の人の上に立てる人でなくてはなりませんよ。
みんな見てますからね。
だから、自分を律してしっかり生きないと行けません。
これがユタと違う所です。」
地域全ての人の上に立ち、
神さまとの交流をする役割を担う
神人の役割を担う重みを感じるエピソードです。
御嶽の前に師匠が座られていると、
だんだんと、村の代表が集まってきます。
毎年、代表が代わり一年間このお努めをする習わしだそうです。
「何も分からない状態で始まり、
(先生に)教えてもらった事が
ようやく分かってきた頃お役目が終わる。」
というようなお話を代表の方がされていました。
私たちが参加するにあたっては、
師匠から前もってご神事に参加される方にお話くださっていたようなのですが、
先生のご親族ですら参加された事のない、
この貴重な場に、共にいさせていただく事の重みを、
その場でも、そして、今でも感じています。