安心
あらゆるところで、
富のあるものが、
更に富を得ようとしている。
この瞬間も、
多くの弱きもの達を犠牲にして、
更に富を得ている。
しかし、
彼らは気づいていない。
富を得ても、
それは限定された世界の中でしか
機能させる事が出来ない事を。
病に倒れれば、どんなに富があろうと、
それをうち消す事は出来ず、
死が訪れれば、
その富を持って向こうの世界へ移行する事が出来ない事を。
たった、数十年の自分の人生の為に、
太古の時代から大切に育まれてきた自然や人類を犠牲にして、
彼らは、どんな安心を得ようとしているのだろう?
どんな幸せを得ようとしているのだろう?
弱きものは知っている。
隣に信頼出来る存在がいる事こそが、
どんな病にも打ち勝つ勇気に繋がる事を。
病に倒れた時、札束や金塊が傍らにあっても、
それが自らの不安を打ち消してはくれない事を。
毎日。
毎日。
弱きものがこの世を去っている。
「安心を買いたい」
不安に駆られた者によって。
しかし、
安心は買うものではない。
安心を得るには、
隣の者と分かち合わなければならない。
彼らは、
安心を買おうとして、
安心を得る為に一番大切な隣の者を搾取している。
彼らはいつになったら気づくのだろう?
そんな方法で安心が得られない事を。