新しい手帳「
15年使い続けてきた手帳がとうとう駄目になった。
15年ほど前、私は幼児教室ママの間でどれだけ「エルメス」を手に入れるかブームの影響で とにかくエルメス商品で固めていた。(今から考えると どこにそのお金があったんだと思うけど) 手に入れたら幸せになれると信じていた むなしい時期だった。
今では、バックもグシャグシャ入れられるものの方が 便利だったりするので あの頃に買ったバッグは思い出した頃に取り出され、洋服も母にあげてしまったが、この手帳は、15年間毎日毎日本当に良く使ってきた。 黒光りがしているような気さえする。 手になじむ感じもいい感じで、バッグの中に手を入れて手帳を探すと吸い付いてくるような感じなのだ。 本当にいいものなんだろうなぁ。。 と駄目になって初めて思う。
「あぁ もう駄目かなぁ~」と思っていたら、「そういえば、あの頃・・・」とイイコトを思い出した。 戸棚を探ると奥からオレンジの箱が出てきた。 主人がお土産に買ってきたエルメスの手帳だ。 挟んであるダイアリーを見るとなんと1998年! 10年間眠っていた。
記憶の糸を探ると、確か、「ワァイ」と包みを開けたものの、地味な色合いの手帳にテンションが下がったのを思い出した。 その頃から、主人は「どうせ買ってきたものは気に入らないから」と自己申告プレゼントになり 最近では現金が幅を利かせるようになった。 「夫婦ってこんなものよね」と思うが、今になってその色合いを見ると、恐らく主人が「こういう女性であってほしかったんだろうなぁ~」という色合いだ。 そういえば と また記憶の糸を探ると、私が着ている洋服で唯一褒めたのがアルマーニのスーツを着ていたときだったなぁ~ (それも今は昔のことだが・・・)
現実は、主人の理想とは かけ離れた私がここに存在している。 もはや、私のファッションに口出しなどしない、私の洋服を共有することで得をしている娘たちがいるからだ。 お父さんはだんだんと娘の成長ぶりに圧倒されていくものなのね。。。
一冊の手帳だけれども、何だかすごく新しい一歩を踏み出している感じがする 朝だった。