キースのお作法♪
キース・ジャレットのコンサート。
毎日、聴かない日がないくらいお世話になっているけれども、
生キースは、零れ落ちる水のように、そこに留まってしまったら次の瞬間が味わえないから、
「今」にいなければ味わえない「神聖」の中に入っていく時間だった。
キースのコンサートには、お作法があるらしい、
無駄な音や光は禁止。
いつの間にか、観客も「神聖な場」を作り上げる要素の一部として
ただの「お客様。」ではなくなる。
ホールに広がる緊張感のなか、ピアノの弦を使った音から始まる。
音を探っていくような感じは、ヒーリングでクライアントに耳を傾ける感じに似ている。
ひとつの音が次に繋がる無限の可能性。
その可能性の中に「信じられる何か。」と結びつきながら、
はじめは自分の外にあった「何か」が やがて自分の中の「何か」と結びつき、
やがて一つになっていく。
無限に広がる可能性の中から一つの音を選び、
やがて一つの世界を表現していくのは「天才」と呼ばれる人に与えられる特権なんだろうな。
と、途中まではエネルギーを分析していたけれども、
途中からは、音のつむぎだす世界に言葉もなく、
ただただ、零れ落ちてくる音に無常の楽しみを味わいました。
外に出ると、台風の名残雨が降っていて、
キースの音楽は本当に雨の夜になんてぴったりと寄り添うのだろう。。。
と、余韻に浸るのでした。